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フレーミング・リップスやマーキュリー・レヴ・ファンにはお馴染みの聖域、Tarbox Road スタジオ。私は幸運にも、デイヴ・フリドマンが所有する、そのマジカル・ワンダーランドに足を踏み入れることができた。


真っ直ぐ、どこまでも続く一本道、新鮮な空気に(この時は初春だというのに、頬がぴりっとした寒さを体感)、森が広大に広がるスタジオ環境。少し荒涼とした印象を抱いたが、人工的ではないこの美しい自然は、レコーディングをするためにスタジオを訪れた、バンドの心を真っ白にするのかもしれないと思った。 


フリドマン、レヴの Opus40 ポスターの前で
1997年3月にスタートしたこのTarbox Roadスタジオ、ここでの最初のレコーディング・プロジェクトは、フレーミング・リップスの『Zaireeka』であった。マーキュリー・レヴやフレーミング・リップスのアルバム・プロデューサーとして、彼たちの音楽には欠かせない存在となっているが、いまやここには『フリドマン・マニア』が世界中から集結してくる。ナンバーガールや


ペンギンノイズなど、日本のバンドのプロデュースも手がけ、その名を耳にした方も多いのではないだろうか。


さて、いざ聖域へ。  *ターボックス・ロード・スタジオ内風景
彼の妻であり、仕事上でもパートナーのメアリーが、スタジオの中を色々と案内してくれた。そこはカラフルなイマジネーションを創造する別世界…。圧巻。


プロジェクト・パートナーでもあるワイフ、メアリーと


以前、フレーミング・リップスのウェイン・コインが「デイヴのスタジオは器材の洞窟みたいで、彼は何でも持っているんだよ」と言った。的を射た表現だ。目を見張るほど、モダナイズされたレコーディング・ファシリティーの数々、そして、一目見ただけでは分からない不思議な物体があちこちに存在している…。まるでおもちゃ箱をひっくりかえしたようだ。


また、ジャック・ブラック(『ハイ・フィデリティー』のバリー!)とカイル・ガスのユニット、テネイシャスDのサイン入りポスターが壁に貼ってあり、かなりの感度で笑ってしまった。


ともかく、このスタジオでレヴの『デザーターズ・ソングス』やリップスの『ソフト・ブリティン』が生まれたかと思うと、緊張とスリルが一気に押し寄せてきた。スタジオには寝室もあれば、キッチンも、バスもある。ここでの時間を共有して、バンドは新しい音楽世界を、確かな手応えでクリエイトしていくのだ。なんとアートな空間だろう!


現在は、リップスのマイケル・アイヴァンスが、Tarbox Road スタジオの専属エンジニアとして、デイヴと共に忙しい日々を送っている。わさびが大のお気に入りというデイヴ、常に微笑みを絶やさぬ彼のジェントルな人柄と、メアリーのユーモアある気配りに感謝の念で一杯だ。そして二人のラヴリー・キッズ、マイケルとジョニーの話に優しく耳を傾けるデイヴとメアリーは、本当に素晴らしき両親であった。今回は、そんなデイヴ・フリドマンとのミニ・インタビューを掲載。またマーキュリー・レヴと共に、日本に来て下され!




ピアノ・レッスン

●まず、ミュージカル・バックグラウンドを教えて頂けますか?初めて楽器をプレイしたのはいつでしょう?


8歳のとき、初めてピアノ・レッスンをスタートしたよ。でもフェンダー・ローデス73というキーボートを初めて手に入れたら、3年間程続けていたピアノ・レッスンをストップしてしまったんだ。


●あなたにとって最初の影響があった音楽とは何でしょうか?幼い頃、どのような音楽を聴いていましたか?


僕はたくさんラジオを聴いていたよ。僕が生まれ育ったバッファローは、今も昔も往年ロックが主流なタウンなんだ。ヴァン・ヘイレン、ラッシュ(Rから始まるラッシュです。あしからず…)、イエス、ジェネシス、それからレッド・ツェッペリン何かが、よくかかっていたよ。


●どのように、マーキュリー・レヴのメンバーと出会ったのですか?また、バンドに参加しようと思ったのは?


僕たちは共通の友人がたくさんいたんだ。彼たち(マーキュリー・レヴ)は次から次へと仕事を頼んできてね。このバンドに参加したのは、僕がずっとそれを望んでいたからなんだ。僕はバンドのメンバーになりたかったし、レコードを作りたかったのさ!


●あなたにとってマーキュリー・レヴは初めて参加したバンドなのですか?それとも、以前に参加していたバンドはありますか?


僕はそれこそたくさんのバンドでプレイしていたよ!14歳のとき、僕は初めてバンドに参加したけど、カバー曲や、ハイスクール・ダンスなんかをプレイしていたよ!とてもグレイトだった!僕はバンドでキーボートをプレイしていた。色んなスタイルのバンドでプレイをして、そのどれもが僕は好きだったよ。


●では、どのようにフレーミング・リップスと出会ったのですか?やはりジョナサンを通してでしょうか?


うん、ジョナサンを通して彼たちと知り合った。ジョナサンはリップスのロード・マネージャーをしており、リップスがサウンド・マンを雇う余裕があったとき、僕はどうかと提案してくれたんだ。かつて僕は、リップスのツアーに同行して、ライヴ・サウンドを担当したり、ジョナサンのように、ステージで一緒にプレイしたりしていたんだよ。そのとき僕はキーボートとパイロテキニクスをプレイしていたんだ。


●プロデューサーになろうと思ったのは?


(バンドでプレイしたいというのは)僕がずっと望んできたことなんだけど、もういいやって思ったんだ。それで、僕自身で何かをする代わりに、たくさんのバンドと仕事をすることは、よりクリエイティヴになれて、とってもファンなことだと分かったんだ。


●マーキュリー・レヴ以外で、初めてあなたがプロジュースしたバンドは?


フレーミング・リップスだよ。僕はリップスと一緒に仕事をする前に、レヴとレコーディングをしていたんだけど、レヴの「Yerself Is Steam」より先に、リップスの「In A Priest Driven Ambulance」が仕上がってしまったんだ。その頃、ジョナサンはこの二つのバンドを掛け持ちしており、僕たち皆、この二つのアルバムでプレイしているんだよ。


●プロデューサーとしてのモットーは?


Get out of the way!


●バンドをプロデュースする喜びとは何でしょうか?


プロデュースで僕が気に入っているパートは、バンドが頭の中で考えているサウンドを、スピーカーから出すことをヘルプすることさ。


●一緒に仕事をするバンドのアレンジはどのようにするのですか?一緒に仕事をしたいバンドのスタンダードはありますか?


それは、バンドが何をトライしたいかによるよ。例えばナンバーガールのようなバンドは、彼たち皆でプレイをするだろうし、またリップスのようなバンドはまずピアノとクイックデモでスタートしたりするからね。


●自分のスタジオを持とうと思った目的は?


僕が(ターボックス)スタジオを建てた理由は、もっと家族にに会うことが出来ると思ったからだよ。僕が住んでいる周辺には大きなスタジオはないしね。一年のうち、300日はトラベルしていた日々とは、これでおさらば出来たよ!


ヨシミ・バトルズ・ザ・ピンク・ロボット ●フレイミング・リップスのニュー・アルバムをどのように評しますか?


う〜ん、どのように説明していいかわからないけど、僕はとても好きだよ。僕たちは、皆が曲そのもののフィーリングを容易に、とっさに感じ取って欲しかったんだ。


●今まで仕事をして最も印象的なバンドやミュージシャンは誰でしょうか?


スティーヴン・ドローズ。


●あなたはこれまで、ナンバーガールやペンギン・ノイズのような日本のバンドとも仕事をしていますが、あなたにとって日本のバンドと仕事をする興味とは何でしょうか?


彼たちはイギリスやアメリカのバンドと全く違いがないんだ。もし人々がフレンドリーで、一生懸命頑張って、才能があるならば、僕はそんな人たちと仕事をしたいと思う。これら日本の2バンドは エクセレントで、僕は他にも日本のグレイトなバンドを聴いているよ。ナンバーガールはブラッド・サースティー・ブッチャーズを、ペンギン・ノイズのエンジニア、ジュンヤ・イワタはコンドル44を僕に紹介してくれた。これらのバンドも僕は好きだよ。


●あなたはSUNY(State University Of NY)で先生をしていると聞きましたが、何を専攻で教えているのですか?


僕はこのフレドニア校舎でサウンド・レコーディングの勉強をしたんだ。で、今はここでいくつかのコースを教えているよ。教えるってことはとてもハードだけど、僕自身も勉強になってるよ。


●今、誰と最も仕事をしたいですか?


現在、僕は、妻のメアリーとのプロジェクトを、スティーヴンと共に楽しみながら、自宅で作業をしているよ。まだ、スタートしたばかりだけど、それはたくさんの可能性を秘めている。


●プロデューサー、ミュージシャンとして、あなたの究極に夢とは何でしょうか?


一つの曲が人々にどのように影響を及ぼすだろうかというヴィジョンを持ち、実際そのとおりになったときには、本当にグレイトだと思うよ。僕はそれをずっとずっとしていきたいんだ。


●去年の夏、あなたはサマーソニックでマーキュリー・レヴとプレイするため日本に来ました。実際、多くの人々があなたをプレイを見るために来ていましたよ!近い将来、このような機会はまたあると思いますか?


たぶんね。僕はとても忙しいし、ライヴ・ショーをするってことは、とても時間がかかることなんだ。でも僕はとてもグレイトな時間を持ったし、アメリカや日本で、いくつかのショーが出来たらって思うよ。


●実際、あなたは今現在、何をしていますか?バンドとスタジオに入っていますか?


たった今、僕はいくつか異なったプロジェクトの真っ最中なんだ。ウェブ・ブラザーズ、グランド・マル、ロングウェイヴ、ザ・デルガドス、そしてウィートたちと仕事をしている!忙しいったらないよ!


Up





ターボックス・ロード・スタジオ内風景
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